第1章

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電車に乗り込んだみもりは、養成所で行われる模擬アフレコ用に録音しておいた台詞を聞くために、イヤホンを耳にした。 『気をつけて…』 『んっ?』 その声は、録音されてるはずの… 自分の声とは違っていた。 『まただ…』 みもりは、吊り革越しに窓の外に視線を送った。 その声を初めて聞いたのは、半年程前の事… みもりが、いつものように炬燵に入りながらアニメを観ていた時だった。 『んっ?』 テレビから音声が消えて… 『大きな揺れがくるよ』 幼女の声がした。 『地震速報?』 『まだ、1時間後だから…ゆっくり準備してね』 『1時間後?』 『お姉ちゃんを守りたいから…』 みもりは、いつの間にか会話をしていた。
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