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「これで怒られたらあんたのせいだからね……」
小声で呟くと蒼馬は顔をしかめた。
「なんでだよ。
何もしてないだろ」
「そういう態度が、」と。
言い返そうとしたら、警視庁の紅林管理官が歩いてくるのが見えたので口をつぐんだ。
出た。
ネチネチ眼鏡男……。
紅林管理官は私を見て、気に食わなさそうに眼鏡をあげた。
「まだ生きていたのか……。
君のような刑事は本来ならば捜査に参加させること自体憚られるのだがね。苦労が絶えないでしょう、高倉課長」
なんでこう毎度毎度イヤミを言われるんだか……。
……以前、命令を無視して動いたことがあったからか。
「そうでもありませんよ。
あなたの下で働かせても恥ずかしくない部下です」
「そうでしょうか。
蒼馬巡査部長ならばわかりますがね。
噂によると、あなたは問題児がいるから出世を拒んでいるんだとお聞きしましたが?」
できることなら、薄笑いを浮かべてる紅林管理官の顔を殴ってやりたい。
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