序章

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照明が落とされた病院内では、ナースステーションの明かりだけが煌々と光っていた。 耳をつんざくような銃声が轟く。 一気に体中の血の気が失せ、手足の感覚がなくなった。 拳銃を抜いて階段を駆け上がると、薄暗い廊下の奥に佇む、男の後ろ姿があった。 駆けつけてみると、よく知っているその人物の手には拳銃が握られている。 そして。 その銃口は真っ直ぐ、奥へ向けられていた。 病室の中にいる人物へ。 血を流して倒れている三倉雪穂(みくらゆきほ)に向かって……。 あり得ない。 にわかには信じがたい光景だった。 どうして…… どうしてあなたが……!! 倒れている三倉さんを、彼は銃を手にしたまま黙って見ていた。 三倉雪穂刑事に向けて発砲したのは、 蒼馬湊人刑事だった。
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