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「今回の件も仮面じゃなく、服に着目したのはおまえなんだろ」
「それは同性だから気づけただけで……」
「いつからそんな卑屈になったんだ。
もう少し自己評価をあげても誰も文句言わないだろ」
「……」
何、このむず痒い空気。
背中がムズムズするぐらいなら、まだ罵り合ってた方がマシだ。
……こういう空気になるのを避けたくて突っかかっていたところもあったけど。
反応に困って、黙ったまま見つめ合ってしまい………。
ちょっと、タイム。
誰か助けて。
「三倉」
渋い声音で呼ばれた瞬間、背筋が伸びた。
グッドタイミングで第三者が現れたことにホッとしつつ振り返る。
高倉課長のお出ましだ。
「蒼馬も。
もうすぐ会議が始まるから上に行け」
はい、と返事をすると、後ろで蒼馬も立ち上がる気配がした。
「それからおまえらに話がある。
会議が終わったら強行犯係は俺の前に集合しろ。
いいな」
「はい……」
話ってまさか……。
尊敬している上司の後ろを歩きながら、こっそりと蒼馬を小突いた。
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