第36章:チョコ寮の秘密、『急遽』の真相。

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「血液的にそう思うだけだよ。だって父さん(純一)は、義父だし。俺と血の繋がりは無い」 「だから、『純一さんの父さん』は、君にとって『本当のお爺さん』という感覚がしない、という事だね?」 「あぁ。じゃあ俺の事、自分の孫だって知ってたのかよ?入学してからずっと?」 「入学する前からだ」 「へぇ―…。じゃ、父さんがやけに、『高校は苺学園にしろ』って進めたのは、父さんからしてみりゃ苺学園は、親が理事長やってる学校だから って訳か。成る程な」 「あぁ。異国でも、私の管理下にある学校なら安心できると思ったんだろう。だが、私は正直、君を苺学園に入れる事に戸惑いがあった。こんな話をするつもりは無かったのだが」 「野城がいるからだろ。辛い想いをさせてしまうからだろ」 一樹理事長は、優を直視した。 優は続ける。 「話してくれよ。ってか分かっちゃったけど。 さっきの、『婚約者がいる孫』ってのは、野城の事だろ。 大体、あんたが俺の祖父って時点で、あんたの息子は当たり前だけど俺の父さんな訳で、なら、野城に結びつかない訳が無いじゃん」
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