第36章:チョコ寮の秘密、『急遽』の真相。

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「君を、チョコ寮に入れたのは、君ら二人が ただでさえ、同じ学校で―…しかも、全寮制の学校で、過ごすなんて、それは酷な話だと思ったからだ。昭仁はお構い無しだったが」 「だろうな。父さんはアイツには冷たかったしな。そもそも、辛いのは俺じゃなくて、不倫された側のアイツだろうし。俺なんて平気。充と同じ学校だろうが寮だろうが。 ってか、『嫌』なのと『平気』なのは別問題だと思う」 「あぁ。それでも、昭仁は、充に対して養育費を出すつもりは全くなかった。 だから私が出してやるしか無かったんだが、それなら別に苺学園でない高校でも良いという話になる。 だが、家庭事情が複雑で、母親も精神を病んでしまって入院中となると、家に家族はいない。一人暮らしさせるには、心配だった。無論、昭仁の不倫が全ての元凶だ。 だが私はね、自分の息子に出来た子供(孫)が、たとえ どんな相手との間に出来た子供だったとしても、私の孫である事に変わりはないし、喜びを感じるんだ。 子供に罪は無い。だから、充の事も君の事も心配していた。 だから、君が苺学園に入るのを知ってはいたが、充へも苺学園に来いと勧めた」 「じゃ、結局の所、チョコ寮って 俺を充と隔離させるためだけに作ったとか?」
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