第36章:チョコ寮の秘密、『急遽』の真相。

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「レイって…、アイツ、レイって名前なのか?」 コクリと頷く一樹理事長。そして再び口を開く。 「何せ、私の孫の、婚約者の兄だ。近い内に、身内になるからだ。しかも―…」 「もう一回 言って?」 「レイは、私の孫の、婚約者の兄だ」 「へ…ぇ…。その孫、婚約者なんているのか。さめてんなぁ」 違和感。いや、胸騒ぎとでも言おうか。 それも、一樹理事長の雰囲気がどこか、あの人を思わせるだからだろうか。 「その孫は、我が苺学園の生徒でもある」 「え!マジか!誰だよ」 と言いながらも優の目は、何かを悟ったような表情をしていた。 「私が、息子に進めたのだ。苺学園に入学させろ、とね。 なぜなら、とてもじゃないが私の息子は、恥ずかしい話なんだが…、その子に対して、もはや『育児放棄』と言えるレベルだったんだ。だがらせめて、私の力で孫を救えるものなら、救いたいと」 一樹理事長の優を見る目は、どこか鋭かった。 だが、優は動じる事はない。 「あぁ。俺の父さんは、俺ばっか可愛がってたから、その子は同じ父親であるにもかかわらず 惨めな暮らしをしてきたって言いたいんだろ? で、俺が憎いか? お祖父(じい)さん」
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