第37章:使命を果せられた男たち。

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「さて、どうするかなぁ」 ラテン調の音楽が流れている。 船内はどこも、一般客で溢れ返っていた。苺学園の生徒たちは皆、観光に出かけて行ったとはいえ、賑やかさは変わらない。 奈央子が今いるのは、船の端の通路。ベージュ色のフローリングが一面に続いている。建物の外なので屋根はなく、冬の太陽が照らしており、午前ということもあって明るい。隣の壁は、建物の窓だ。中にも同じく廊下があり、そして客室のドアが並んでいる。 奈央子と同じ方向に歩く人、向こうから逆方向に歩いてくる人。所々に木製のベンチがある。長い長い通路が船の端から端まで続いているのだ。 左側は海、右側は船の建物。客室の窓が並んでいる。 てく てく てく…。 「どうしよう。どうやって優を…」 とその時 「お客様」 聞き覚えのある声がした。一瞬、優と似ていたので、ドキっとした。 奈央子が振り向くと、 「お客様。少しお時間よろしいですか?」 咲だった。
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