訪ねてきた彼女

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 学祭が終わり、二ヶ月以上が過ぎた。すでに外に出るにもコートが必要な季節になっている。僕は初めて経験するこの街での冬を、新鮮な気持ちで過ごしていた。  大学はすでに冬休みに入っている。実家にいるときは、こたつでだらだらとしていると小言を言われたものだが、一人暮らしとなるとしかってくれる人もいない。自然、こたつの中から出ないで生活してしまう。このままではだめだと思っても、なかなか行動に移すことができず、こたつの中でパソコンを開く、という時間が一日の中でかなりの割合を占める、といった事態になっていた。  それも問題なのだが、もう一つ悩ましいことがある。それは葵さん達の事だ。彼女達の母親が僕の敬愛する河邨紫織先生だということを知ってから、僕は二人に対してどう接すれば良いのか、ますます分からなくなっていた。
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