第三章ー親友ー

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横尾との通話を終了すると同時に、北山に電話を掛ける風間。 「なんだ?何か解ったか?」 北山の愛想のない声が聞こえてくる。 「何か解るかどうかはお前の女次第だ。明日、お前らライブするんだろ?ライブ前に少し時間あるか?」 「ライブ前はリハがあるから無理だ」 「10分でもか?」 その風間の言葉を聞いた北山は軽く溜息をついて言葉を返す。 「つまらん話だったら許さねーぞ?とりあえず、霧島ショッピングモールの前にあるファミレスに15時に来い。16時からリハが始まるから最大1時間だ」 「わかった。ってか、お前らは何か情報は掴んだりしてないのか?」 「俺はお前みたいに暇じゃないからな。ライブが終わり次第、俺も動き出すさ」 「東森は明日……無理か?」 風間が問いかけると同時に「無理だろう」と言う言葉が北山から返ってくる。 「あいつは基本的に電話に出ることは稀だからな。掴まえることが出来れば話だけしておく」 それだけ言って北山は電話を切った。 風間は再びベッドに横になり天井を見つめる。 『カオハギ……絶対にお前の正体は俺が掴んでやる』 カオハギへの恨みで頭の中がいっぱいな風間だったが、昨日眠れなかった影響でいつのまにか眠ってしまっていた。
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