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「確かに、あのSNSツールを管理してるのは豊島だけど、あいつがあんな事する動機は何もないだろ?」
南野が首を傾げながら、風間に尋ねる。風間が口を開く前に横尾が喋り出した。
「私思うんだけどさ、豊島先生って顔立ちの整ってる男子生徒ばっかり呼び出して嫌味言ったりしてない?潤も何回か呼び出されたでしょ?」
「あぁ、なんにせよ、豊島に聞いてみないと話は進まないな。学校側はこの悪戯を無かったことにしようとしている。全校集会でも言ってたようにな」
「そういやさ、集会の時は東森のヤツ居なかったよな?」
「あいつは毎日昼から居ない。どうせ何処かで喧嘩でもしてたんだろう」
南野の問い掛けにそう答えた風間は立ち上がる。
三人が北山達のテーブルに目を向けると、既にギターとベースをしている他校の生徒も合流していた。
「譲二、とりあえず明日の昼休み、生徒指導室前に集合な!美来は来なくていいからな?」
「言われなくても行かないわよ」
「ってか、潤、お前急にヤル気満々になったな。これで豊島が本当に犯人だったらどうすんだ?」
「教育委員会とPTAに話をする。まぁなんにせよ、俺らで西野の亡霊の正体を突き止めようぜ。なんだか、楽しくなってきた……」
風間は知らなかった。あの書込みが、ただの悪戯などでは無いことを。
そして、血生臭い復讐劇の幕が開こうとしていることも。
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