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準備を終えて帰ろうとする私を、「あのっ」と日野さんが呼び止めた。
「はい?」
「一緒に帰りませんか?」
「けど日野さん帰る方向、真逆ですよね?」
「夜遅いので送ります。」
「大丈夫だよー。チャリで10分だし!」
「あ、いや、でも危ないんで。僕が送りたい、です。」
「えー?じゃあ…お願いします。」
「はい!」
異性に女の子扱いされたのは久しぶりだった。
「アキナさんって呼んだらダメですか?」
「ごふっ、え?!」
歩き出してすぐ、日野さんがそんなこと言うもんだから、飲んでいたココアを溢しそうになった。
「いいよー、川嶋さんのままで。」
「呼びたいんですけどダメですか?僕のこともシュウヘイでいいですよ。」
にこっと笑って言われてちょっと怖いわ。
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