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弥彦は腕を組み、眉を寄せて唸った。
「何か……。おかしいな。それとも何か別に意味があるのか?」
「別の意味……」
小さく呟いた久美子の顔が、ハッとした表情になる。
「分かった! 分かったよ。この文章が何なのか! これ番号だ!」
弥彦が振り返り久美子を見る。
「番号?」
「番号って何のこと?」
久美子の声に、机を調べ終わっていた志郎も教卓に来た。
「三人の頭って、三人の名前の頭のことだよ。私は久美子で九。弥彦は八。志郎は四。三人で三桁の数字になる」
久美子は錠前のダイヤルを回し始めた。
「順番は皆の腕にあった数字。その順に数字を集めてこの箱の鍵に合わせると……」
ダイヤルを849と合わせ、久美子は錠前を引っ張った。すると錠前はカチリと音をたてて外れた。
「開いた!」
久美子は箱を勢いよく開けて、中を覗き込む。
「……何これ?」
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