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俺は首をコキコキ鳴らした。 柏木にたいする不平不満はまだ続いている。 こりゃしばらく終わりそうにないな。 そう判断して、俺は自販機から背中を浮かした。 「悪い。パソコンの病状が心配だからそろそろ行くわ。今日は楽しんでこいよ」 「おー。お前もあんま無理すんなよ」 手をあげて応え、その場を立ち去る。 ああいう空気はあまり好きじゃない。 体がドッと重くなる。 俺はポケットから一つ飴玉を取り出した。 ピンク色の球体を口に放り込む。 イチゴの甘い味が身体中に染み渡る。 頭痛が少し和らいだ気がした。
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