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キーボードを叩いていた手を止める。
何気なく外を見ると、窓から見えた空はどっぷりと暗かった。
反対側に見えるビルにもまばらにしか電気がついていない。
腕時計を見る。時間は八時過ぎ。
六時くらいまでは時間の認識があったのに、どうやら集中しすぎていたらしい。
「篠宮、お前、まだ残るか?」
部長が立ち上がって帰り支度をしている。
フロアを見渡すと、数人ちらほら残っているだけだった。
「あともう少ししたら帰ります」
「そうか。あまり無理するなよ。彼女に振られるぞ」
俺は苦笑した。
「振られるような彼女いませんって。いい人いたら紹介してくださいよ。娘さんとか」
「ばか。うちのはまだ五歳だって言ってるだろ。じゃあな。お疲れ」
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