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部長の後ろ姿を見送って、思いきり背中を伸ばす。 その瞬間コキコキと鳴った背中に年を感じる。 少し前まではこれくらいの残業なんともなかったのに。 俺、もう年なのか?まだ28なのに? 「喉乾いた…」 頭が糖質を求めている。 このままだとラストスパートをかけられそうにない。 平尾さんが横にいれば、あとちょっとなんだから甘えたこと言ってないで、早く終わらせてくださいと激が飛ぶところだ。 だがもう既に彼女は帰っている。 俺の頭にはもうイチゴカフェオレしかない。 百円玉だけを握りしめて自販機を目指す。 スキップでもしたいところだけどそれは我慢する。
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