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「悪いが、何か買うつもりなら俺を跨いでくれ。俺はしばらく動けない」
柏木が怪訝そうに眉を寄せるのが、見なくてもわかった。
だけど深く追及することなく柏木は俺の指示通りにする。
俺は目の前の上等な革靴に話しかけた。
「お前も残業か?」
「……えぇ。篠宮さんは飲みに行かれなかったんですか」
「まぁな。もうすぐ終わるけど、今日はもういいかな」
今からなら合流もできる。
まだまだこれからが盛り上がる頃だし、時間としては悪くない。
だけど今日は、このまま帰ろうと思った。
「お前は?まだ残るのか?」
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