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たかだか百円で根に持つかっての。
あいつ、俺を一体どんな人間だと思ってんの。
全く、本当に可愛いげのないというか何というか……。
そこでふと、さっき柏木が自販機に小銭を投入していたことを思い出す。
柏木はお金を入れただけで取り出さなかった。
「あいつ、あの若さでボケたのか?」
失礼なことを呟きつつ、代わりに取りだし口を開ける。
「これ……」
取り出した紙コップ。
それは毎日のように俺が飲んでいるイチゴカフェオレだった。
「…………」
柏木 秋斗……。
「変な奴」
誰もいない休憩スペースで一人呟き、ありがたくイチゴカフェオレを頂戴することにする。
柔らかい甘みが、ほっこりと体のどこかを灯した気がした。
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