花霞の夜は明ける

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「あとちょっとで終わりだったんだけどなぁ」

腕を組み唸ったところで仕方ない。
わかっているが、俺の視線は往生際悪くパソコンのデスクトップに向けられている。

マウスを動かしてみるがピクリとも反応しないカーソル。
キーボードを叩いても画面に表れない文字。
フリーズだ。

「もうそろそろ換え時じゃないですか？」

平尾さんの言う通りだ。
こんな風にフリーズするのは今に始まったことじゃない。
何が気にくわないのか、ここ最近こいつの調子はすこぶるよくない。

丁寧に扱ってるというのに何が気にくわないんだ。

「さすがにイチゴカフェオレをぶっかけたのはまずかったですね」

「……………」

コホン、と一つ咳払い。

あれは不可抗力だ。
つまずいた先にたまたまこいつがあっただけだ、俺は悪くない、うん。