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オフィスを抜けてふらふらと歩いてきたのは、同じ階にある休憩場所。 自動販売機が二つに三人がけの黒いソファが二つ。 そこには既に何人か同僚がいた。 「おー、篠宮」 軽く手をあげて答え、自販機に小銭を投入する。 買うのはいつも決まっている。だから俺は迷うことなくいつものボタンを押した。 「お前、毎日飲んでて飽きない?」 「全然」 ソファには四人座っている。 男ばかり密着しても暑苦しいだけだから、俺は自販機に寄りかかって紙コップに口をつけた。 うん、うまい。 疲れた体にこの甘さがちょうどいい。 甘さがなくても、甘すぎても駄目だ。 程よい甘み。俺にとってこいつーーーイチゴカフェオレは貴重なエネルギー源なのだ。
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