2756人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前…、酔ってんのか?」
あと考えられるとしたら、柏木が持っている缶ビールしか考えられない。
「まさか。たった三本で酔ったりしません」
「じゃあ……、あれか、ギャップってやつをお前も狙ってるのか」
自分でも何を口走っているのかよくわからなかった。
だけどこのあまりにも違う柏木を説明できる何かを、必死に考えていただけだ。
柏木は楽しそうに笑う。
「なんですかそれ。篠宮さんって、賢いんだか何だかよくわからない人ですね」
「……よくわからないのはお前だろ」
馬鹿にされた気がして、缶ビールを一気に流しこむ。
喉を温い液体が流れていく。
どうやら柏木は、長い時間ここにいたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!