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「パソコンの調子がおかしくてさ。さっきも終わりかけた見積り飛ばしたとこ」 「最悪だなそれ。早く修理するか新しいの申請したほうがいいって」 「そうだな。一度システム課の人間に見てもらうよ」 パソコンがなけりゃ仕事にならない。 こんな事がこれからも続けばいつか大きな失敗を招きそうだ。 「あ」 同僚の一人が廊下を見て声を出した。 つられてその場にいた全員が同じ方向を見る。 スーツを隙なく着こなし、廊下からこちらに向かって歩いてくる長身の男。 伏し目がちの目が俺たちの視線に気づいたのか上げられる。 スッと通った切れ長の目と、目が合った。
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