4

3/37
2737人が本棚に入れています
本棚に追加
/449ページ
一巻でも必死でついていったのに、二巻は更にパワーアップしていた。 あんな言葉実際に言う人間がいるのだろうか。 平尾さんは勉強しろと言うが、俺が実際にあんな甘いセリフを言ったところで、思いきり噴き出されるのが容易に想像できる。 いや、噴き出されるならまだいい。 波に砂が持っていかれるくらい綺麗にサァーと引かれたらどうする。 それに何より俺が耐えられない。 口からクサイセリフを吐き出した瞬間、きっと全身に鳥肌が立つだろう。 「駄目だなぁ篠宮さん。だから篠宮さんは駄目だって言うんです」 マンガを鞄にしまいながら、まるでできの悪い幼い弟を諭すような口調で平尾さんはそう言った。
/449ページ

最初のコメントを投稿しよう!