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平尾さんの焦った声がした。
「え?」
「これ、裏表逆ですよ!」
コピー機から出てくる用紙を一枚掴んで俺に見せる平尾さん。
それをマジマジと眺めて……。
「うわっ!本当だ」
慌ててストップボタンを押す。
コピー機が止まったのを確認してふぅと一息。
柏木が言っていたのはこのコピーのことだったのか。
「もう、篠宮さんしっかりしてくださいよ」
平尾さんが頬を膨らませながら俺の代わりにコピーをセットしている。
「ごめん。柏木もありが…、いないし」
いつの間に立ち去ったのか。
柏木はもう既にここにいなかった。
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