夏の始まり

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「ねぇ、純はどんな仕事してんの?」 窓から顔を引っ込め、後ろにいる純に問う。 「仕事ですか?」 「そー!お手伝いさんなんでしょ?」 「えっと…畑の仕事はもちろん、花の水やり、お風呂掃除、買い物の手伝い…とかですかね?まだ夏休み始まったばかりなので、定まってませんが…」 へぇ、そんなに… 東京にいる時、俺は夏休み中ずっと友達と遊び呆けていた。なんか、本当にすごいな、純。 「……で?今日はこの後なんかあるの?」 「あ、家の外に水を撒きに」 「俺もついてっていい?」 「えっ」 「はやくはやく!」 俺の発言に焦る純の手を引き、少し空いたままだった部屋のドアを足で開ける。 「さ、沢田くん、荷物の片付けは…」 「んー、そんなの後でいい!」 手を握ったまま、階段を降りる。「でも…」ともごもご聞こえるが気にしない。 「あ………俺、いたら邪魔?」 思いつきで言っちゃったけど、もしかたら足手まといになるかも。 立ち止まってから振り向いて、純の目をおそるおそる見る。 「い、いえ!全然。むしろ、ありがたい、です」 ハッとして、嬉しそうにそう言う純に安心した。 よかった。 なら、いいんだ。
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