夏の始まり

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新幹線に一人で乗るのは初めて。 すこし緊張している。 多分他の人から見た俺は、かなり落ち着きがない様に見えるだろう。 その緊張を紛らわすように、とりあえず外の景色を眺めつつ、スマホにイヤホンを挿した。 流れ出した曲は最近ハマっている少しマイナーなバンドの曲。 しばらくぼんやりしていると、高校二年生の夏って一番楽しいときなんじゃないか、と頭に浮かんだ。 …地元で友達と遊びたかった。 おばあちゃんの家だって、庭のすぐ下の川で遊べたり、裏山の緑で癒されたり、いい事は沢山あるけどさ。 近くにゲーセンも無いし、店も品揃え悪いし………何より家からあまりにも離れていて、友達がいないし。 それを考えると、渋谷とか池袋とか、高校のヤツらとぶらぶらしたかったなぁ、なんて。 …うん、まぁ、仕方ないことなんだけど。 あー! 早く治して遊びたい。
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