夏の始まり

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___ ________ ザワザワーーーー… 「…ん」 俺はいつの間にか眠っていたようだった。 目が覚めると外はすでに豊かな緑でいっぱい。高層ビルも、住宅地も、見当たらない。 あ、ちょうどもうすぐで着くじゃん。 少し広げていた荷物をまとめ、到着を待つ。 …そうだおばあちゃんにメールしなきゃ。 俺のおばあちゃんは76歳にも関わらず、スマートフォンをスイスイと使いこなす。 文字を打つのもなかなか速いんだよ。 俺はメールの画面を開き、本文を打ち込む。 『もうすぐ、つくよ』…っと。 メールを閉じると、地元の友達からメッセージが届いていた。送り主は…いつも一緒にいる友達の中の一人、岡村康太。 『陽平~!今どの辺?お前と遊べなくてみんなさみしい!早く良くなって新学期遊ぼうな!頑張れーっ!』 友人からの激励に、ふふっと笑みがこぼれる。 『もうすぐ着く。俺も寂しい!ありがとう』と返信し、スマホを置き座席に座り直すと、スマホがブーッと鳴った。 スマホのロックを解除し、通知を開く。 おばあちゃんからだ。 『 了解 気を付けてね 駅までお手伝いさんに迎えに行かせたからね 仲良くきてね 』 …ん? お手伝いさん? お手伝いさんってなんだ? お手伝いさんなんか雇ってたっけ? まぁ…だいぶ体も動かなくなってきたって言ってたし、おじいちゃんがいなくなってからずっと一人暮らしだもんな、無理ないか。 お手伝いさん、どんな人なんだろう。 そんなことをボーッと考えているうちに、俺を乗せた新幹線は目的地へ着いたのだった。
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