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「全く義弟は……。 確か、お前達はこいつの事を落ちこぼれと馬鹿にしているらしいな。」
そう言ってルークは、埋めたライナードの頭を蹴る。
ラナーシャが今にもルークに飛び懸かりそうなのは言うまでもない。
「確かにこいつは馬鹿だ。そして弱い。更に毒舌ですぐに喧嘩売る様な厄介な奴だ。
だがな、
そんなこいつよりにお前達の方が断然弱い!!
そんなこいつの方が断然部下として欲しい!!
そんなこいつだが、そんなこいつを連れて行く方が断然任務の成功率は上がる!!
そりゃ実力が無ければ意味は無いし要らない。
しかし、そんなこいつとお前達の様なやる気の無い奴等のどちらかを選ぶならば、断然こいつだ。
だからやる気の無いお前達の様な腑抜けは騎士団には要らない。」
そこまで言うと、ルークは一度話すのを止め、観客席を見た。
そこには十人十色、皆それぞれがそれぞれの心境をその表情に出していた。
「…………一応ローンドロフ殿との話だと、まだ二日有る。
俺に遣られてでも俺と何度でも戦いたいと言う奴だけ明日また、此処に来い。 騎士団に何が何でも入りたいと言う奴だけ此処に来い。
俺からは以上だ。今日はもう解散だ。」
そう言い終えると、ルークは足元で気絶しているライナードを文字通り蹴り起こして、アリアレーネ達首から下がまだ埋まっている3人に眼をやった。
「お前達はどうする?明日また来るか? 明日何人来るかわからないが、人数に依ったら個人個人で相手をしてやるぞ?」
三人は即答でイエスと答えた。
「やっぱりやる気の有る奴は何時相手をしても楽しくてわくわくするな……。
じゃあまた明日だ。
だがお前達三人には宿題を出す。
そこから地力で脱け出せ。」
そう言い終わるや否や、いつの間にか脱け出していたライナードと待っていたラナーシャの二人と共に、ルークはその場を去った。
三人が脱け出せたのはそれから四時間後の事だったとか。
そしてその日の三日後、副騎士長ラナーシャ・ゼクセレードは消息を絶った。
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