イジメ

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「この義兄は、俺ことライナード・アスターシャの実の姉である旧姓ラナーシャ・アスターシャと結婚したルーク・ゼクセレード。 ラナ姉と結婚したから義兄。」 ライナードもルークに対して簡潔な説明では有るが、棘の有る紹介をした。 この二人の仲があまり良くないのはなんとなく伝わった。 「はぅう~久し振りのライ君はやっぱりイイ匂いで落ち着くよぉ~。」 そして一番の当事者であろうラナーシャは、実弟に後ろから抱き付き頬擦りしながらライナードの匂いを嗅いでいる。 一言言おう。 変態だ。 「ラナ姉、そろそろ離してくれないと2度と口訊かないか、ゼクセレード婦人って呼ぶよ?」 「ラナ、あんまり義弟君を困らせると、しばらくお前が毎晩抱いて寝てるお前自作のライ君人形を燃やすぞ。」 「イヤァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!! ライ君嫌いにならないでぇぇええええええええええ!! ルーくん、ライ君人形燃やさないでぇぇええええええええええええええええええええ!!」 「義兄、そのライ君人形が何やらとても不吉なんで、燃やしといて下さい。 燃やさないなら俺に下さい。処分しますんで。」 「ライ君!?」 「私も邪魔だと思っていたから好都合だ。半分に斬って、片方を君に渡そう。」 「ルーくん!!?」 「あ、やっぱり俺が自分で処理しに行きますんで義兄は手を出さないで下さい。 義兄の手に渡ると何をされるかわからないので。」 「お前が私達の居住に足を踏み入れると考えただけで鳥肌が立って吐き気を催す。 来るな。」 「俺だって嫌ですよ。ラナ姉ならともかく、義兄なんかの住んでる所に足を踏み入れないと駄目だなんて吐き気を催すのではなく、本当に吐いてしまいますよ。 ですがラナ姉に好きにされるのも癪なんで、処理しに行きます。」 「来るな。」 「行きます。」 「来るなと言っている。」 「行くと言ってます。」 「義弟よ、貴様は言葉が理解出来ないのか?」 「義兄、貴方の理解能力は低級魔物以下ですか?」 「義弟。」 「義兄。」 「「ちょっと地下の闘技場で殺り合おうかこの糞野郎。」」 「私の為に喧嘩はやめてぇーー!!」 「「そもそもの原因はラナ(姉)だ!!」」 「えぇーー!!?」 流れる様な舌戦からの息ピッタリの毒舌。 コイツ等実は仲が良いだろ?
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