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「ほぅ……。やれるものならやって貰いたいな義弟。 レギオンから、お前がとある時期から急成長していると聞いて少し気になっているところなんだよ。
何でもレギオンに致命傷を負わせたとか。」
卑しく、待っていましたと謂わんばかりに新しい玩具を見つけた子供の様な眼でライナードをルークは見た。
聞いたライナードは一気に視線が冷たくなり、レギオンを睨みつける。
「……どういう事ですか?他言無用じゃなかったんですか?」
無意識なのだろうが、ライナードはソッとアスタークの柄を握った。
「待つんだアスターシャ君。俺だけでなく、コイツも同じ悩みを持った奴なんだ。 友人が困っているなら、手助けするのが友情ってものだろう?」
尤もらしい言い訳をするレギオンであるが、中身は結局スカスカのその場凌ぎである。
「レギオンさん。2つ選択肢を出します。
1つは今すぐ今日俺を呼んだ理由とその内容を話して、俺にさっさと依頼を受けさせるのと、もう1つは俺を呼んだ事を無かった事にして、今すぐ俺に依頼を受けさせてこの事を不問にするのと、どっちが良いですか?
前者であるなら後日、貴方に相手をして貰います。」
「迷わず前者だね。娘の事が一番だ。」
ライナードの怒りは関係無いのか、レギオンは即答でライナードの挙げた選択肢の前者を選んだ。
理由もまた理由で、なんと言うか、この中で一番精神年齢が低いのは実は、一番歳が上のレギオンではないのかと疑ってしまうほど、レギオンは自由だ。
「娘が一番? 違うよガー君!!一番はライ君だよ!!」
…………訂正する。
一番精神年齢が低く、自由なのはレギオンと彼女だ。
いきなり話の参加、いきなりレギオンと娘とライナード、どちらが一番の口喧嘩をし始める二人。
ライナード達3人は残念なものを見る眼で、ルークは愛する者を見る眼で彼等の口喧嘩を眺めた。
「ホント、義兄。アレの何処に惹かれたんですか?」
「お前だと言うのが気に喰わないが、あの一途で子供っぽいのに真面目な時は格好良い。そんな所に惚れたんだよ愚弟。
お前もいずれわかる。」
「……話振ったのは俺ですけど、急にノロケないで下さいこのラナ姉馬鹿。」
「ラナは本当に可愛いぞ?そして真面目な時は本当に強かで凛々しい。
なんなら今此処で語ってやろうか?」
「遠慮します気持ち悪い。」
「ラナの侮辱か?」
「貴方を侮辱してます。」
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