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「………………ハァーー。」
ルークはしばらく沈黙した後、頭を抑え、溜め息を吐いた。
「本当に埒が明かなさそうだ。 帰るぞラナ。」
「嫌だねルー君!ルー君とは毎日家でも職場でも会えるけど、ライ君とは今しか居れないんだよ? だから私はライ君と居るね!!」
「帰れゼクセレード婦人。いい加減鬱陶しい。本当に埒が明かない。」
ライナードがラナーシャの事をゼクセレード婦人と呼ぶと、 彼女はピシリッと言う擬音が聴こえて来そうな勢いで石化したんじゃないかと錯覚するほど、綺麗に固まった。
「ようやく固まったか……。では帰る。 ガルシア、またな。義弟は死ね。」
「義兄はラナ姉に嫌われて絶望してから死ね。」
「娘の話なら何時でもしてやる。」
「「親馬鹿は黙ってろ。」」
互いに毒を吐き合い、最後にライナードと息ピッタリにレギオンに毒を吐いてから、ラナーシャをおぶさり部屋を出て行くルーク。
それをライナード達は見送ると、互いに向き合った。
「さて、呼んだ理由はなんですかレギオンさん?」
「それよりもまず、君は俺に、言うことが有るだろう?」
「真っ赤で綺麗な血ですね。 アスタークのご飯にさせて貰いますね。」
そう言って、アスタークを抜きレギオンの血の有る所に当てて、血を吸わせて行った。
「違うだろ?もっと別に言うことが有るだろう?」
「あ、呼んだのはあの女の事ですか? 別に話しても良いですけど、親としては気分の良い物じゃないと思いますよ?」
「……アスターシャ君。君、わざと別の事を言ってはぐらかしてるだろう? そのはぐらかしていることを言おうか。」
「親馬鹿で暴走した良い歳なのだから常識覚えろと義兄に言われたのに対して、良い歳だから覚えられないのだろう?と胸を張って威張る人に常識どうこう言われる筋合いは無いんだよボケ。
と言う内容ですか?それとも手に剣をぶっ刺した事を謝れと言ってるんですか?
すいません。俺、ラナ姉が結婚してから二人に、常識の無い奴に常識を強いられたら無視して良いと言われて来たので、真面目で素直な俺は、それをしっかりと学んで実行してるだけなんです。
だから手にぶっ刺した事に関しては謝りません。
で、俺は何をレギオンさんに言わないと駄目なんですか?」
「………何でも、無いです……。」
レギオンはライナードに謝らせるのを諦めた。
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