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「アスターシャ君。俺は娘が何故不登校になるほどの事を君が言ったのか、やったのかの理由を聞いているんだよ?なのに君は的外れで的を得ない質問を俺にするばかり。
俺をからかっているのかい?」
「からかってませんし的を得ない質問でも的外れな質問でもありません。ちゃんとした理由が有ります。 この質問は理由を話す為の謂わば前座です。
だから答えて下さい。レギオンさんが今挙げた気持ち悪いのどういう所が気持ち悪いんですか?」
納得は行かないが、理解したと言う様子で渋々レギオンはライナードの言う通り返答をする。
「どういう所って……自分勝手で無理難題を俺達下の者に言って来たり、黒い噂の1つや2つは事実であろう事も金や権力で揉み消す………そう言う強欲で傲慢な所かな?
まぁ、よっぽど理不尽だったり舐めた事をぬかしたらちょっと交渉するけどね。」
レギオンの言った交渉に対しもっとやってしまえと内心呟きつつ、ライナードは再び質問を繰り返す。
「レギオンさんの言うそれは俺達人族等の知能の高い所謂人型と呼ばれる者達の中の、心と言う感情と言う物が存在する者達が持つ負の部分ですよね? 負、つまり不快に思ったり嫌悪したりと気分を害する物ですよね?
じゃあレギオンさん。今俺の言った負の部分以外で気持ち悪いと思う物ってなんだと思います?」
此処まで言われて、この質問を受け、ようやくレギオンはライナードの意図を察したのか怪訝な顔をする。
その顔は言わんとしている事はわかるが納得出来ない、何故なんだと言う顔だ。
「その顔から察するに俺がさっきから質問してた意味がわかったみたいですね。」
「あぁ、今の質問で察したよ。察したからこそ納得が行かないよ。第三者としてもアリアの父親としても。
『正し過ぎる白過ぎるのが嫌悪するほど気持ち悪い』だなんて、アリアだけじゃない。それこそ聖国の聖女や善の神とかに対して失礼じゃないかい?」
「レギオンさんはあの女の父親で家族だから、あの女の良い所も悪い所もわかる故に、俺の言ってる事がわからないと思いますが、初対面で見た瞬間や印象が『あ、俺、こいつ無理だな』って相手に、いきなり綺麗事を言われて自分の不注意の癖に顔面目掛けて蹴りを入れられたり、その後すぐに鼻血が出て足下が少しフラつく様な膝蹴りをお見舞いしてくる相手に好感を持てって言う方が難しいですよ。」
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