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「まぁでも、そんな態度を取ってたらあの女は俺の態度に慣れたんでしょうね。一週間もしない内に俺に話し掛けたら俺が返答するか本鈴が鳴るまでずっと俺に話し掛けて来ましたよ。
うざい、うるさい、鬱陶しいですよホント。
周りの屑共があの女に俺に話し掛けるなとか色々言うんですけどね?あの女は、
こうやって会ったんだから皆と仲良くしたいし、何より彼だけ一人って言うのはおかしいでしょう?彼もこのクラスの一員なんだから!とか何とか言うんですよ。
屑共をその無垢で無謀で無知な言葉に黙ってましたね。
いや、黙るしかなかったんでしょうね。あの女から顔を逸らしてましたよ。
これで更に俺の中でのあの女への評価は遂に生理的に相容れないと言うレベルになりましたよ。
まぁでもまだ吐くほど無理とかじゃなかったんですけどね。」
そこで一旦区切ると、ライナードはこのギルドマスター室の唯一の入口である扉に眼をやり、一睨みすると、続きを話し始めた。
「さっきも言いましたけど、俺にとってあの女は、うざい、うるさい、鬱陶しい、生理的に相容れない奴なんですよ。
そんな奴がほぼ四六時中付き纏い、正論や綺麗事を散々吐き散らして来るんです。
遂に俺は我慢の限界が来てですね、あの日。ヤングレラと模擬戦をし、俺が勝ったあの日。 あの日に俺は、あの女に魔法を行使したんですよ。
と言っても水属性の壁で覆って、ずぶ濡れにするぐらいですけど。
でも、そんな事をされてもあの女は俺を引き止めたんですよ。
本当に気持ち悪いです。
でも、それと同時に物凄く気になったんですよ。なんで魔法を使われるほど俺に嫌われているのに、どうしてそこまで俺に関わるのかが。
まぁ聞いて、完全に受け付けなくなったんですけどね。
本当に声を聞いたり視界に入れるだけで腹の中の物が込み上げて来るほど受け付けなくなりました。
あの女、なんて言ったと思います?」
脳震盪を興し動けない故か、それともライナードの話に傾聴したのか、反論していなかったレギオンは、ライナードの話を聞いて驚いていた。
確かに自慢の娘で何処にも嫁に出したくない、婿養子なんて以ての他、アリアレーネを絶対に結婚させたくないほど愛しい娘ではあるが、少なからずその娘の行動に畏怖した。
行き過ぎた情は時に恐怖を生む。
ライナードのアリアレーネが生理的に受け付けないを理解してしまったのだ。
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