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「わかったな?俺にはもう関わるな。迷惑だ。」
二人に問答無用でそう言い切り、ライナードは空に星が見え始める時間だった為、ギルドを後にした。
残されたレギオン、アリアレーネ、クロウは人が来るまで呆け続けた。
場面は変わって此処は王城。
ソコでは先程の夫婦、ルークとラナーシャが王の間へ向け歩いていた。
理由は今回のギルドマスターとの情報の交換の任務報告をする為だ。
内容は最近のギルドへ寄せられる依頼の量、その達成量、学生ギルド員で将来有望な者の情報、最近の王都及び国の情勢や問題等様々である。
王の間、所謂謁見の間に着き淡々と任務報告を済ませる二人。
王や謁見の間の両壁際に立つレギオンが嫌う肥えた大臣がソレを聞く。
「以上で任務報告は終了で御座います。」
「うむ御苦労であった。下がって良いぞ。」
「ハッ!陛下、下がる前に1つお願い事が…。」
「む?なんだ、申してみよ。」
「有り難う御座います。陛下、確か私と妻のラナーシャの有休が1ヶ月分ほど御座いましたよね? ソレを1週間ほど消費したいのですが、よろしいでしょうか?」
「二人同時か?」
「はい。夫婦の時間……と言うのも御座いますが、ラナーシャが予てより弟に会いたい弟に会いたい一緒に生活したいと駄々を捏ねていまして、最近それが、より酷くなりましたので、此処等で1度会わせなければ任務を放り出して会いに行く可能性が御座います故、休暇を頂きたいのです。」
「ふむ、そう言えば副騎士長は大の弟好きだったの……。しかし、それならばお主が休暇を取る理由は無いんじゃないか?」
「………非常に申し上げ難いのですが、ラナーシャは1度義弟と会うと手が附けられなくなるほど、酷く義弟に纏わり付くのです。 義弟はまだ学生なのですが、授業中の教室への乱入等平気でやってしまうほどに今のラナーシャは弟に飢えてます。
つまり、そんなラナーシャの手綱を引くために私もこの期に休暇を取ろうと思い至りまして。」
周りの大臣達は、そんな我が儘が通されると思っているのか!や、貴様等が休暇を取っている間、誰が我等を守るのだ!!等己の保身に関する罵詈雑言ばかり。
王も、やはりどちらか残って欲しいのか渋っている。
そんな時、話題になってるラナーシャが口を開いた。
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