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放課後。
何時もなら即行帰り、ギルドへ行くライナードなのだが、昼の事が有る為今日はギルドへは行かず、素直に寮の自室へ行く。
寮の自室へ帰って来たライナードの目に最初に入って来たのは、全裸で四つん這いで哀しそうな顔をしている義理の兄。 そして恍惚とした表情(カオ)で義理の兄の上に座る実の姉が、自分の服を着て自分のズボンを履き、もう一人の自分を見ているのかと錯覚してしまうほど自分に似た、自分の下着を履いた半裸の人形を抱き締めている。
「……………………。」
ライナードは静かに近寄り、義理の兄の頭を蹴り抜き実の姉の頭を叩いた。
「…あんた等何やってんの?何弟の部屋で変態的趣向をやってんの?何弟の私物漁ってんの?一緒に風呂に入るのを迫られたり、服を取られてる予測はしてたけど、流石にこれは予想の斜め上だよ。
もう一回言うけど…、あんた等何やってんの?」
実の姉達の変態プレイに実の姉の変態的暴走に、心底呆れたライナードは簡潔に言いたいことだけを言う。
想像して欲しい。
自分の両親、または自分の兄姉が、この様な変態プレイをしていて、自分の服を着て、自分と全く同じ全裸に自分の下着を履いた人形を抱き締めている父母兄姉や、全裸で四つん這いになり椅子になっている父母兄姉を。
ライナードはそれを見て、迷わず椅子を蹴り、椅子に座ってる人物を叩いたのだ。
「ぎ、義弟……。弁解させて欲し」
「弁解の余地が有るんですか?弁解と呼べる程の内容なんですか? それなら聞きます。どうぞ。」
どうぞ。と言う割には取りつく島が無い様な態度をするライナード。ちゃんとした弁解と呼べるだけの内容だとは全く思っていないようだ。
ルークもそれをわかっているのか、苦虫を噛んだ様な顔をしている。
そんな二人の間に、またしてもあの変態姉が暴走した。
「ライ君人形とライ君本人!!」
そんな台詞を奇声を上げながら言い、右腕にライナード、左腕にライ君人形を抱き締めるラナーシャ。
「寝てろ。」
「寝てろ。」
義理の兄弟に鎮められたのは言うまでもない。
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