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「この間会った日、あのあと国王陛下に任務報告を済ませて、1週間の休暇の赦しを得た。 その後休暇間の仕事の引き継ぎを行っていたら昨晩まで懸かった訳だ。
休暇の許可を頂いた直後……ラナが…………」
「………読めました。それで朝からやって来てあぁなったんですね。
それで、俺から鍵を受け取ってこの部屋に着いてからは?」
「着いた途端だ。着いた途端にラナが、お前の臭いだとか言って其処ら中を嗅ぎ始めた。そして何処から出したのか知らないが何時もラナが抱いて寝ているライ君人形を取り出してお前の服を着させ始めた。
俺は止めたんだが、ラナの何のスイッチが入ったのかわからないが、いつの間にか俺はラナに全裸にされていてな。
そのあと先だけ濡れたタオルでバシバシ叩かれるから、やめろと言ったら椅子になれと言い出した。
あとはお前の知っての通りだ。」
話を聞き終えたライナードは、溜め息を吐き、体で呆れを体現していた。
それはもう、心底構ってられないやってられるかと言う反応だ。
「つまり、全ての元凶はこの気持ち良さそうに伸びてる馬鹿ラナ姉と?」
「まぁ、そうなるな。」
ライナードは再び溜め息を吐いてラナーシャを残念なものを見る眼で一瞥し、もう一度溜め息を吐く。
そしてラナーシャを自分が何時も使っているベッドに寝かせ、そしてルークに話し掛ける。
「義兄はこの部屋に居たくはないでしょうけど、今日はこの部屋で一夜を過ごして下さい。
俺は今からギルドに行って、レギオンさんに部屋を一室借りてそこでこの1週間を過ごします。
ラナ姉には授業の邪魔をしないのなら俺に抱き付いても良いと伝えて下さい。
では。」
「逃がさない!!」
ライナードがギルドへ行こうとすると、さっきまで伸びて寝ていた筈のラナーシャが起き上がり、扉から出ようとしていたライナードの首に抱き付いた。
「………ラナ姉?」
「駄目だよライ君!!お姉ちゃんから離れちゃ!この1週間はお姉ちゃんにライ君、それにルークの3人で寝るんだよ!!」
「………ラナ?」
「私達は家族なんだから!一緒に居れる時は一緒に居るの!!わかった!!?」
有無を謂わさぬラナーシャの迫力に、頷く事しか出来なかったライナードとルークは、ラナーシャの言う通りその日はベッドの広さと言う問題が有った為、同じ部屋で寝た。
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