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元々沸点が低いのか、ライナードの事をまだただの落ちこぼれだと思っているが故なのか、レニーはその煽りにより感情を爆発させた。
「さっきからテメーの事を呼んでんだろうが落ちこぼれ!!」
レニーは座り怠そうにしているライナードに近付き胸倉を左手で掴み、無理矢理立たせた。
「ぁー……、ふぅー。」
ライナードはされるがままの状態であくびをして、その時に吸い込んだ息をレニーの顔に吹き掛けた。
「…………おい落ちこぼれ……。テメー、俺をナメてんのか?」
「………………ぉ?デカイの取れたな。」
ライナードはキレているレニーを尻目に鼻の穴を指で穿り、その指に付いた鼻くそをレニーの左頬に付け、穿った指をレニーの服で拭いた。
ゴッ!!
当然だがレニーは更に怒り、無言でライナードの頬を右手でぶん殴った。
胸倉は掴まれたままの為、慣性の法則に従い後ろに後退する筈のライナードの体は、その掴まれた手により強制的にその場に止まる。
「…おい落ちこぼれ。俺の話を聞け。」
「………………………………はぁー。」
埒が明かないと思ったのか、ようやくライナードはレニーに目線を合わせた。
「そうだ、テメーはそうしてれば」
「俺を攻撃(や)ったって事は、俺に攻撃(や)られる覚悟は有るんだろうな?
忠告する。この汚い手を今すぐ俺から放せ。」
レニーが話しているのを遮り、ライナードは好きな様に聞いた事の有る様な事を言う。
この光景を見ていた野次馬の一人であったクロウは、このあとライナードが何をする気なのか悟ったのか、慌ててレニーにライナードから手を放す様に注意する。
「おいレニー!悪い事は言わないから今すぐソイツから手を放せ!!」
「るっせークロウ!!なんで俺がコイツの言う事を聞かないと駄目なんだよ!?」
「お前はソイツを殴っただろ!?その時点でソイツは暴力を奮うのに何の抵抗も持たないんだよ!!良いから放せ!!怪我したくないだろ!!?」
クロウの慌て様とクロウの言葉にクラスの者達は、このあとレニーが手を放さなかった時の未来を予測し、周りもレニーに手を放す様に言う。
だが、
「クロウもお前等もなんでコイツの肩を持つんだよ!?第一暴力を奮うのに何の抵抗も持たないからなんだよ!?たかが落ちこぼれの暴力だろ!!?
たかが知れてる!!!」
頭に血が昇ったレニーには届かない。
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