1週間~序章~

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元々沸点が低いのか、ライナードの事をまだただの落ちこぼれだと思っているが故なのか、レニーはその煽りにより感情を爆発させた。 「さっきからテメーの事を呼んでんだろうが落ちこぼれ!!」 レニーは座り怠そうにしているライナードに近付き胸倉を左手で掴み、無理矢理立たせた。 「ぁー……、ふぅー。」 ライナードはされるがままの状態であくびをして、その時に吸い込んだ息をレニーの顔に吹き掛けた。 「…………おい落ちこぼれ……。テメー、俺をナメてんのか?」 「………………ぉ?デカイの取れたな。」 ライナードはキレているレニーを尻目に鼻の穴を指で穿り、その指に付いた鼻くそをレニーの左頬に付け、穿った指をレニーの服で拭いた。 ゴッ!! 当然だがレニーは更に怒り、無言でライナードの頬を右手でぶん殴った。 胸倉は掴まれたままの為、慣性の法則に従い後ろに後退する筈のライナードの体は、その掴まれた手により強制的にその場に止まる。 「…おい落ちこぼれ。俺の話を聞け。」 「………………………………はぁー。」 埒が明かないと思ったのか、ようやくライナードはレニーに目線を合わせた。 「そうだ、テメーはそうしてれば」 「俺を攻撃(や)ったって事は、俺に攻撃(や)られる覚悟は有るんだろうな? 忠告する。この汚い手を今すぐ俺から放せ。」 レニーが話しているのを遮り、ライナードは好きな様に聞いた事の有る様な事を言う。 この光景を見ていた野次馬の一人であったクロウは、このあとライナードが何をする気なのか悟ったのか、慌ててレニーにライナードから手を放す様に注意する。 「おいレニー!悪い事は言わないから今すぐソイツから手を放せ!!」 「るっせークロウ!!なんで俺がコイツの言う事を聞かないと駄目なんだよ!?」 「お前はソイツを殴っただろ!?その時点でソイツは暴力を奮うのに何の抵抗も持たないんだよ!!良いから放せ!!怪我したくないだろ!!?」 クロウの慌て様とクロウの言葉にクラスの者達は、このあとレニーが手を放さなかった時の未来を予測し、周りもレニーに手を放す様に言う。 だが、 「クロウもお前等もなんでコイツの肩を持つんだよ!?第一暴力を奮うのに何の抵抗も持たないからなんだよ!?たかが落ちこぼれの暴力だろ!!? たかが知れてる!!!」 頭に血が昇ったレニーには届かない。
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