1485人が本棚に入れています
本棚に追加
/214ページ
「………周りが注意してくれてんだ。俺も注意してやろう。
最終忠告だ。この汚い手を今すぐ俺から放せ。」
「テメーも何様だよ糞がッ!!!」
バキッ!!
そんな音が出る程に、レニーは力いっぱいライナードの頬をもう一度殴った。
「忠告はした。それを聞かなかったのはお前の責任だ。あとは知らん。」
殴られたライナードは平然とし、胸倉を掴むレニーの左腕を右手で掴み、握り潰した。
そして胸倉から手が離れた所で潰れた腕から手を放し、半歩下がってから綺麗なサマーソルトをレニーの顎に決めた。
痛みに悶える間も無く顎を打ち抜かれた事により脳震盪を起こし、そのまま気絶し意識を無くすレニー。
左腕からは骨が動脈にでも刺さったのか、夥しい量の血を流し始めている。
アリアレーネ達のメンバーの内の一人、アンは慌ててレニーに近寄りレニーの安否を確認する。
「そいつ、このまま放っておいたら死ぬぞ?」
そうアンに言いながら、ライナードは最初に穿った鼻の穴とは逆の鼻の穴を穿り、再びその指に付いた鼻くそを、最初に付けた頬とは逆のレニーの頬に付け、レニーの服で拭いた。
アンは涙眼で親の敵を見る様な眼でライナードを睨み、近くに居た男子生徒を呼んでレニーを担ぎ、治療室へと急いだ。
「…………あ、最後に殴られた分を返すの忘れてた。」
ライナードに、少しやり過ぎじゃないかと話し掛けようとしたクロウであったが、ライナードの間の抜けた声色での呟きに絶句した。
「あ、えと……ライナー」
「落ちこぼれだ。落ちこぼれと言われるのは嫌だが、それ以上にアンタと関わるのは更に嫌だ。 そんな相手に名前を呼ばれるなんて本気でまた吐く。だから名前で呼ぶな。アンタだけはこれからもずっと落ちこぼれと呼んで良いから俺の名前を呼ぶな。
と言うか関わるな。」
悪くなった空気を少しでも和ませようと、和みはしなくとも少しでもこの悪い空気が緩和される様にと思い、ライナードに話し掛けたアリアレーネだったが、ライナードはそれを遮り一刀両断。
アリアレーネはその眼に涙を浮かべながら押し黙った。
最初のコメントを投稿しよう!