1485人が本棚に入れています
本棚に追加
「おいどうした義弟。授業はどうし」
「ライ君、お姉ちゃん淋しかったよぉぉぉぉ!!」
「…………はぁー…。」
ルークがライナードに声を掛けようとするが、ラナーシャがそれを遮りライナードに抱き付いた。
ラナーシャ大好きラナーシャ馬鹿のルークは溜め息を漏らさずにはいられない。
「……………。」
先程、一生の相棒であるアスタークに人間止めてる発言をされたのが原因か、それとも単純にアメとムチのアメなのか、珍しくライナードが抱き付いて来たラナーシャを抱き締め返した。
「………………………………え?」
ラナーシャは一瞬何をされたのか理解出来なかったのか、鳩が豆鉄砲を喰らった様な顔をして固まる。
「……………………ラナ姉……。」
ライナードがラナーシャの名前を呼びながら、より強く抱き締め返した事によりようやく何をされたのか理解したのか、みるみる内に顔を真っ赤にしていくラナーシャ。
そして、
「…………ライ君がお姉ちゃつほたとふらつはとおのまたらほたるさにねなはらあとな…………。」
久し振りに弟に抱き締められたのと普段からの態度も相まって、言語として読み取れない奇声を発しながら気絶したラナーシャ。
その顔は完全にニヤケ切っており、凡そ淑女のする顔ではない。 性的快楽に溺れた人間のソレと似ている。
「……………………………………義兄。ラナ姉をお願いします。俺、今日はもう気分が優れないので学園を早退してギルドの部屋を借りて寝ます。おやすみなさい……。」
一頻りラナーシャを抱き締め満足したのか、ライナードはルークにラナーシャの処理をお願いして、足早に学園から出た。
残されたルークはと言うと、
「………………俺の事を義兄と呼ぶのに俺をラナの旦那としては頼っても、兄として頼りはしないんだな。 全く、あの義弟は……。まぁ、俺の態度が態度だからだろうがな……。」
ライナードの態度に淋しさを覚えてそれを嘆きながら、ラナーシャを昨日の様にお姫様抱っこをし、寮のライナードの部屋へと戻った。
ギルドにて。
「レギオンさん。これから5日か6日ほどギルドの部屋を借ります。それでは。」
「アスターシャ君いきなり何をっ、……。」
ライナードの様子が何時もと違う事に、レギオンは少なからず不安を覚えていた。
最初のコメントを投稿しよう!