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母親は少女の頬に自分の顔を摺り寄せた。
『みらい、ありがとう!ママ嬉しい!大切にするね』
少女は満面の笑みを浮かべていた。
この微笑ましい親子は、母、星川アキ、愛娘、星川みらい。
そう、アキは支店を辞めてから、この街にやって来た。
お腹の中にみらいを授かり、そして母親になった。
「アキー!みらいー!」
「あっ、純ちゃんだ。純ちゃーん!」
みらいはその声に向かって、手を振りながら叫んだ。
二人の元にやって来たのは早瀬純。
この早瀬純は、二十六歳、独身、ショップ店長、アキとは意外な関わりのある男。
三年前、この街に来てから、アキはこの純と関わり続けている。
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