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東園寺派だけでなく、ほとんどの生徒が拍手喝采(かっさい)していた。日乃元の刀には、進駐官を酔わせる圧倒的な力があるのだ。
「ルールはどうする?」
冷静に指摘したのはテルだった。優勝を狙っているのかもしれない。ジョージがうなずいていった。
「各種格闘技に不公平にならないように、司会のぼくが3組各班のリーダーと話をする。最初の試合では、自分の班のメンバーと当たらないようにくじ引きで、相手を決定しよう。みんな、それでいいかな」
「賛成」
「おもしろそうだ」
「異議なし」
相撲部の渡部が叫んだ。
「名刀はおれがいただく」
どうして10代なかばの男子は、こうも格闘を好むのだろうか。自分が闘うのは苦手なクニまで手を叩(たた)いている。
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