高校1年 秋

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 バイトを終えて外へ出ると、 「蒼葉」 と、後ろから声を掛けられた。  誰かは顔を見なくてもすぐに分かった。 「浩介」  振り返るとそこには、やっぱり浩介が立っていた。 「どうしたの?」 「あ、えっと……今から草田に返事しに行く?」  遠慮がちにそう聞いてきた浩介に、私は『うん』と頷いて目を伏せた。 「今日、草田のやつが返事聞きに行くって言ってたから……その……だから……」 と、終始言いにくそうに口ごもってい浩介だったが、 「あーっ!もう、考えんの面倒クセー。ちょっと来て」 と突然叫んだかと思うと、いきなり私の腕を掴んで歩き出した。
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