わたしの日常

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『おっはよー、亜理子!今日は早いねぇ!』 同じ経済学部の友達、長谷川紗知(はせがわさち)が相変わらずの可愛らしい笑顔で声をかけてくるー…… 彼女がふわふわとした愛くるしい微笑みを讃えるだけで、周囲の男達の眼差しが愛しげに緩む。 究極の癒し系。 動物で言ったら間違いなくうさぎちゃんタイプの紗知こそ、童話の世界の主人公ー…… “ありす”の名がふさわしいと、誰もかれもが口を揃えて言っているのに、私は薄々気づいていた。 最初は私にモーションかけてきた男達が、本当に面白いくらい最終的には彼女に転ぶ。 “ごめんな、俺、紗知が好きになったんだ” と申し訳なさげに謝る彼氏に、外見通りの悪女気取りで“わかったわ”とすんなり了承してきた私ー…… 小学校時代から腐れ縁の紗知とは数々の因縁があるけれど、決して彼女が悪い訳じゃない。 男に心を許しきれてない自分が悪いんだ。 恋人が無防備で無邪気な紗知に目移りしようが、それはそれで仕方がない事とすっかり諦めきっていた。 『あ、亜理子、見て……綾瀬君だ…』 今日も格好いいなぁ…。 彼女にしては珍しく、自分からの片想い。 それが同じ経済学部の、綾瀬祐(あやせたすく)だったー……
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