マシロ

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しばらくすると ひと通り 手入れを終えたマシロが 「終わりました」 と、笑顔で 俺に話しかけた ずいぶん 満足そうな顔だ 「覗いてみろよ」 「・・・・」 「かまわねぇよ フィルム入ってねぇけど シャッターきってみろよ いい音するぜ?」 マシロは こぼれるような 笑顔で カメラを手に取った かわいいなぁ 俺も 若いころ そうだった ぎこちない 手つきで マシロは カメラのファインダーを のぞき シャッターに 指をかけた その瞬間 俺は目を閉じる ・・・・カシャン・・ カシャン・・カシャン・・ 静かな部屋に 響き渡る この音が 好きなんだ 目をとじたまま 俺は マシロに話しかけた 「いい・・・音だろ?」 「・・・はい・・」 「なぁ、マシロ?」 「なんで 俺のファンなんだよ」 「・・・・・・」 「内緒か?」 「…いえ……」 「………」 「好きなんです・・」 えっ… 思わず、閉じていた目を開けて マシロを見た 「あ、あぁ?」 「神島さんの 写真が・・・・・」 ピ~ンポ~ン 「あ………ピザ…」
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