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「あの・・・
神島さん
トイレ行ってから
帰って来ませんけど
大丈夫ですか?」
新人のマシロは
あっという間に
酔ってしまった神島さんを
心配してるみたいだ
「あ~大丈夫大丈夫
いつもこうなんだよ
一階のカウンターで
突っ伏して
寝てると思うよ」
「カウンター?
わざわざ・・カウンター
・・・ですか?」
「あぁ、わざわざね
カウンター。
ここのオーナーが
カウンターの中で
料理つくったり
してんだけどさ
いい女で・・・
側にいると
落ち着くんだとさ」
「また・・・
女・・ですか・・」
ちょっと呆れ顔のマシロ
ま、仕方ねぇよな
憧れのカメラマンは
女好きだった…
で、がっかり…とか?
「お前、酒強いな
全然酔ってね~じゃん」
「なんか・・ざるみたいで」
「そっかそっか
ま、俺も
酔っぱらいの世話は
神島さんだけで十分だから
助かったわ
そろそろ帰るか
明日も早いし」
「そうですね
ゆうやさん
神島さん
送って行くんですか?」
「あぁ、あれじゃ
ひとりで帰れね~から」
俺たちは
2階の座敷から
1階へと下りて
カウンターへ向かった
突っ伏す神島さんを見て
マシロは
一言つぶやいた
「ほんとだ・・・」
すると
カウンターの中から
声がした
「ユウヤ、今日もちゃんと
連れてってね~
島ちゃんのこと
よろしく~~
あっ、さっきは
忙しくて挨拶できなくて
ごめんね?
私、この店のオーナー。
新人さん、よろしくね
お名前は?」
「マ、マシロです」
「あら、かわいい。
私はママ
よろしくね。」
「どこがかわいいんですか~
男みたいじゃないっすか
どっから見ても
色気ねぇし」
「あら、ユウヤは
お化粧ばっちりの
ロングヘアーが
お好み?」
「どっちかっつーと」
「じゃあ、マシロちゃんには
手、出しちゃだめよ?」
「そんなこと
しないっすよ」
「どーだか?
ま、いいわ。
明日、早いんでしょ?
さっさと
帰んなさい」
「うい~っす
神島さん帰りますよぉ~~」
と、
俺は
神島さんの腕を
肩に回し
店の外に出た
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