メモリップ

「それが貴女に関係ある事なのかしら？」

「あ、そ、そうですよね！すみません！」

やっぱり何かが気に障ったのだろうかと思ったあたしは、即座にペコッと頭を下げ、逃げるようにして持ち場のレジへと早足で移動した。お客さんはいないけど。

香織先輩は そんなあたしの様子を、ハンガーに掛かっている桃色のワンピースを整えながら、遠くから無言で見ていた。