それはまるで甘い果実のように

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優と、おれ。 立って並ぶと、凸凹。身長の差は十センチ以上。今となっては、ツッコミとボケ。時にボケとツッコミ。どっちもどっち。 周りから見た限りは、普通の男友達同士。 そんな仲睦(むつ)まじいおれたちだけど、実は こうなるまでに時間が掛かったことは、クラスの皆もあまり知らない。何しろ優は、中学三年生の二学期にアメリカから転校して来たんだし。 だからおれらが出会ったのは、ちょうどその頃だったね。 確かその年頃って、ナゼか分かんないけど、何かつんつんしてたよね。 まるで、『まだ熟してない果実のよう』だって。 だから、そんな時期には例えば 甘い甘いシロップをかけてやったら、もっと素直な『優しい果実』になれるんじゃないかなって、思うんだ。 あ。そこの君も、あの頃のおれたちに、今 手に持ってるそのシロップをちょっと かけてみない?
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