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そんな苺たちを、男子ながら元々フルーツに興味のない優と透を押し退けて、スマイル百パーセントで受け止った礼央は、ゆっくり時間をかけて食べ尽くすことに決めたらしい。
カチャカチャ…
優の部屋にあったガラス制の食器にがごんと入れて、一つ一つ葉をもぎ取りながら、別の容器に入っている練乳に たっぷりと浸す。真白な練乳に浸かった苺は一瞬見えなくなる。
「けどさ、これ今日一日じゃ食べれないよな。だから優、手伝えよ?」
と透。
「まぁどーせ今日は暇だし、これを食すことに専念するよ、おれは。あっ、何ならチョコシロップとかかけてみる?」
半信半疑で問いかけた礼央は立ち上がり、あのミニ冷蔵庫の方まで歩いて行った。階段の下に置かれているシルバー色の小さな"ミニ冷蔵庫"は、朝の太陽の光を反射して微かにきらきらしていた。
しかし透は何としてでも、優に苺を食べさせたいようだ。
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