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「なあ、優?」
透は、苺を一つフォークに差して練乳に浸し、相変わらずソファーを一人独占中の優の口元へと近づけた。
そのソファーは前に、奈央子が座りたくないと思うような派手なヒョウ柄だったので、優は何だか何処かの風俗店の男みたいだと透は思っていた。
しかし優はそんなに雑誌が面白いのか、相変わらず返事をしないので「ほら一個。一個!」と透が幼稚っぽく言う。
「うるせーな…ってせめてフォーク変えろよな」
と優が言った直後、苺は閉じる前の彼の口の中にすっぽり収まった。
透は やった!という顔でフォークを持っている右手でガッツポーズをし、また体を机に向き直した。
罰が悪そうな顔をした指輪だが、今さら口の中の物を吐き出す訳にもいかないので、仕方無く口を動かした。
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