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だから君を失った。
「だから。君が、殺(や)ってないと言うのなら、彼女はどうやって亡くなったんだと言うのだね?」
「それは・・・」
「いい加減にしなさい。これだけ証拠は揃っているんだぞ!
彼女の首にある二つの傷。司法解剖の結果、彼女の死因は、そこから大量に出血したことによる、出血死だ。
君が、刺したんじゃないのかね!」
「ですから僕は、本当に殺してない!それに――」
「なんだ!」
「僕が『刺した』のなら、凶器があるはずです。凶器は見つかったんですか?」
「だからそれも含めて聞いてるんだ!」
刑事さんがバンッと机を叩いた。
そんなむちゃくちゃな・・・
僕は、警察署で取り調べを受けていた。
僕にかけられた容疑は、殺人罪。
結論から言っておこう。僕は本当に、彼女を殺していない。
いや、『そんなつもりは無かった』と言うほうが、相応しいかな。
なぜなら僕と彼女は昨日――
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